凱旋行進曲


その玉座についたのは
自分のことよりも
他人のことを考える
やさしい王様

ある人は「偽善」だという
ある人は「白痴」だという
そんなことは気にしない
やさしい王様

でも、王様は政治ができなかった
人間を動かせなかった
毎日、自分を虐げながら眠る
やさしい王様

 そのやさしさゆえに、人々から見離され
 そのやさしさゆえに、一国が奪われた

人々は「能無し」だといった
人々は「死んでしまえ」といった
ひとりぼっちの王様
「王」じゃなくなった王様

やさしい王様
かなしい王様
みんなの喜ぶ顔を見たかっただけなのに
みんなの望みを叶えてあげたかったのに

 やさしい王様
 民衆の前で息絶えた
 だけど王様はしあわせだった
 それがみんなの望みだったから

 やさしい王様
 永遠の眠りについた
 おだやかなその顔を見て
 男が一人、涙を流した




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