秘密の森
――秘密、秘密、しーっ、だよ。誰にも言っちゃ、いけないよ――
昔々、山里に二人の姉妹がおりました。
美しい妹に醜い姉。
姉はたいそう妹を憎んでおりました。
毎日のように妹をいじめていました。
ある日、姉は妹の顔を傷つけようとしました。
鉈を振り回して、妹を追いかけました。
妹は恐ろしくて、必死になって逃げました。
森のなかに入り、木の陰に隠れて姉が静かになるのを待ちました。
妹はいつの間にか眠っていました。
気がつくと日が傾き始めていたので、家に帰りました。
しかし、姉の姿が見当たりません。
妹が家の周りを探しました。
ふと、思い立って、妹は井戸の中を覗き込みました。
すると、そこには変わり果てた姉がいました。
全ては井戸のなか。暗くて深い、水のなか。
姉は闇に食べられてしまったのです。
そしてその体はゆっくりと沈んで行きました。
――秘密、秘密、しーっ、だよ。誰にも言っちゃ、いけないよ――
