僕のお父さん



ぼくのとうさんはまほうつかいだ。
どんなにんげんだって、かいじゅうだって、じかんだってなんだってあやつれる。
とうさんはすごい。
とうさんはかみのうえでぼうけんをしているんだ。
だけど、ぼうけんしているときのとうさんはちょっときらい。
だってへやにずっととじこもって、めったにあえなくなっちゃうから。

とうさんのへやはほんでできている。
ぐるっとまわってもみえるのはほんばかり。
ぼくのよめるほんもあるけど、むずかしいほんのほうがいっぱいだ。
すごく大きくて、おもくて、ぼくがもちあげられないほんもあった。
とうさんはまいにちいろんなほんをよんで、まほうのべんきょうをしているんだ。

とうさんはまほうで、ぼくをほんのなかにいれてくれる、といった。
ばくはどうやってかみのなかにはいればいいのかわからなかった。
すると、とうさんはぼくのあたまをなでて、あしたのあさになればわかるよ、っていった。
ぼくはあさになったらほんのなかにとじこめられてしまうんだ、とおもってこわくなった。
そのよるはめをつぶってもぜんぜんねむれなかった。
きがついたら、あさになっていた。
いつのまにかねむっていたみたいだ。
でも、ぼくはほんのなかにはいなかった。
いそいでとうさんのへやにいった。
とうさんはきもちよさそうにねむっていた。つくえのうえにたくさんの がようしがおいてあった。
そこにはぼくがいた。
ぼくのかわりにぼくのにがおえ がかいてあった。でも、ちっともにてなかった。
とうさんはすごいまほうつかいだけど、えをかくのはにがてみたい。

ぼく と とうさんはないしょのはなしをした。
とうさんは ぼくにだれがいちばんすきか、ってきいた。
ぼくは みんながいちばんすきだから、こたえられなかった。
とうさんはかあさんが いちばんすきだ、っていった。
ぼくもかあさんがだいすきだ。
でも、とうさんもだいすきだ。
どっちか なんてきめられなかった。
ぼくがこまっていると、とうさんはわらってた。
そして、おおきくなったらいちばんすきなひととであえるようになるさ、といった。

あるひ、とうさんはおおきなかばんをもってへやのぼうけんじゃなくて、そとのぼうけんをしにでかけた。
ぼくは まいにちげんかんでとうさんがかえってくるのをまった。
でも、とうさんはいつまでたってもかえってこなかった。

とうさんがいなくなってたくさんのきせつがすぎた。

ぼくはまほうつかいになりたい。
ぼくのまほうのせかいでとうさんといっしょにぼうけんするんだ。




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